Step 2: らくらくインストール
いつも通りこの色は美樹ちゃんの言葉。いつも通りってまだ二回目じゃないの....
今回は、Javaのプログラミングに入る前に一通りツールの使い方をマスターしようね!
入手先やどんな OS に対応しているのかも教えてほしいな
OK, じゃあまずどこから入手するかだね。
入手方法は、Java 関係の雑誌や書籍に付いている付録の CD-ROMからインストール!
簡単でしょ?え?違う?
真面目に教えてよ!
あら、一番手っ取り早いかなと思ったんだけど......
それじゃあわかりやすいように一覧表にするから。世の中に出ているものすべては表にできないので代表的なものだけね!パッケージ内の説明はあとでするけど、Compiler,
Debugger, Java VM, JIT等が含まれていると考えておいてね。
それから、日本で発売されている物はちょっとわからないのだ!
しょうがないなあ〜
へへへ
ところで、分類のJDK は、 Sun Microsystemsが作った JDKが元になっていて Freeなもの
IDE は、Integrated Development Environmentsの略。統合開発環境で、Visualに画面をレイアウトするツールなどが含まれている商用のもの
分類 | 名称 | 対応OS | 入手先(開発元) | コメント |
JDK |
Java Development Kit | Windows, Solaris 2.5 以上 | Sun | Windows, UNIX |
Java Development Kit | Mac OS X | Apple | MacOS X | |
Java Development Kit | AIX, OS/2, VM | IBM | UNIX, OS/2 | |
Java Development Kit | HP-UX | Hewlett Packard | UNIX | |
Java Development Kit | Tru64 UNIX, Open VMS | Hewlett Packard | UNIX, VMS | |
Java Development Kit | IRIX | Silicon Graphics | UNIX | |
Java Development Kit | Linux | Sun | UNIX | |
Java Development Kit | FreeBSD | FreeBSD Inc. | UNIX | |
IDE |
Sun ONE Studio | Windows, Linux, Solaris | Sun Microsystems | |
JBuilder | Windows, Linux | Borland | ||
WebSphere | Windows, Linux, AIX | IBM | ||
Eclipse | Windows, Mac OS X, UNIX | IBM | ||
WebObjects | Mac OS X | Apple | ||
Web |
Netscape | Windows, Mac OS X, UNIX | Netscape Communications | |
Mozilla | Windows, Mac OS X, UNIX | Mozilla | ||
Internet Explorer | Windows | Microsoft | ||
おまけ |
JTRON | ITRON | 東大 |
代表的なものは表に挙げたけど、ほかにもたくさんあります。
表で見るとわかるようにいろいろな OS の上で動くのがわかるでしょ。ここでは、メジャーな
OS しか挙げていないけどいろいろと変わった OS や PDA などといったものの上でも動くんだよ。
JDKには Java VMが含まれているから、実行環境としてそれぞれ必要な OS 用のものを入手してインストールしておき、開発は一番ツールの揃っている
Windowsや Macintoshといった PCで行うのがいいんじゃないかな。
それじゃあ JDKの内容と簡単な説明をするね。他の開発ツールでもいいんだけど 、JDK
はオリジナルで一番多くのプラットフォームに載っているし、Free だから入手しやすいからね。美樹ちゃんは主に
UNIXを使っているからコマンドラインベースのツールには抵抗が無いでしょ?
まあね!? X-Window で動くならそちらの方がいいけれど...
それでは JDKに含まれるツールを一覧表まとめるね。
それから、今一般に使われているのは JDK 1.1 なんだけど環境作り替えるの面倒だから
JDK 1.2 で説明するね!
え〜 ぶうぶう
ま、良いじゃない。どうせいずれみんな JDK 1.2 (現在は Java 2-1.4.2)になるんだから...使い方は基本的に同じだし...
JFC(Java Foundation Classes: GUI, 2D関連のクラスパッケージ)を別インストールしなくてすむことが一番の理由なんだけどね。それぞれのコマンドをクリックするとオプションの説明があるから参考にしてね。(Solaris版のマニュアルを基にしています。ある程度使えれば良いので詳しくは書いていないから...正式なドキュメントも目を通した方が良いかもね)
名称 | コマンド | 説明 |
Java Interpreter | java |
Java VM |
Java Runtime Interperter | jre |
上の Interpreterが開発者向けとすると、これは End User向け(いくつかオプションが削られている) |
Java Compiler | javac |
Java言語で書かれたプログラムを Java バイトコードにコンパイルする。(.class: クラスファイルを生成) |
Java AppletViewer | appletviewer |
アプレットの実行テスト用に使用する |
Java Debugger | jdb |
デバッガ(プログラム中のバグをさがすのに使う) |
Class File Disassembler | javap |
Javaバイトコードを逆アセンブルする。 |
Java Documentation Generator | javadoc |
Java言語で書かれたプログラムのソースを基に HTML形式でドキュメントを作成する。クラスの継承関係やメンバーのインデックスなども生成する。 |
C Header and Stub File Generator | javah |
Java クラスのC Headerファイルと Cスタブファイルを生成する。 |
Java Archive Tool | jar |
関連のあるクラスファイルやリソースをひとまとまりにアーカイブする。 |
JAR Signing and Verification Tool | jarsigner |
Networkを介してロードされるアーカイブ(JAR)ファイルの認証用署名の生成と認証を行う。 |
Key and Certificate Management Tool | keytool |
keyと証明書の管理をする。PGPみたいなもの。X.509関連の情報を読んでね。 |
Policy Tool | policytool |
Security Policyを作ったり編集したりする。Windows NTに似たようなのあったよね? |
Native-To-ASCII | native2ascii |
Unicodeでない Latin-1のファイルを UnicodeのLarin-1にする。\udddd っていう形にするのさ。 |
Java RMI Tools | rmic |
Remote Method Invocation ツール:Network上のサーバーのオブジェクトにリモート・アクセスするプログラムを作成するのを支援する。(分散オブジェクト) |
Java IDL Name Server | tnameserv |
Java IDL ネームサーバー。 IDL: Interface Definition Language 詳しく知りたければ CORBA関連の情報を見てね。そういえば IIOPはどうなったのだろう? |
Java Servlet Runner | servletrunner |
Sevletの実行とテストに使用。 |
ここでアプレットや RMI, IDL, Servlet(CGIのようなもの。CGIに代わるもの。) という言葉が出てきたけど、今はそういうものがあるとだけわかっていればいいからね。アプレットは良く使うので簡単に説明するけど、Javaには、Web
Browser上で実行するプログラムと通常のアプリケーションのように実行するプログラムの2種類があるんだ。Web
Browserで動くプログラムをアプレット、もう一方をアプリケーションと呼んでいるんだ。プログラミングの違いはあとで説明するね!
では、開発によく使うコマンドの説明に入るけど、その前にインストール方法も説明した方が良いかな?でも、インストーラ使うだけだからなあ〜。そういうわけで、忘れてはいけない環境変数の設定ぐらいは説明しておくね。
環境変数 | 目的 |
PATH | JDKに含まれるコマンドのあるディレクトリを追加する。 |
CLASSPATH | Java標準のクラスや実行に必要なクラスを指定する。複数指定する場合、UNIXはコロン(:)、Windowsはセミコロン(;)で区切る。 |
JAVA_HOME | JDK がインストールされているトップディレクトリーを指定する。通常はいらないが、どうしても JDKがうまく動作しない場合、設定してみるとよい。 |
JAVA_COMPILER | JIT コンパイラの指定。使わないなら設定不要。symcjit : Symantec Corp. の JIT コンパイラsunwjit : Sun Microsystems の JIT コンパイラ |
JAVA_FONTS | 使用するフォントのあるディレクトリーを指定。 |
THREAD_FLAG | あ、これSolaris 2.5.1, 2.6 初期バージョンで、OSのパッチを当てた場合のみだから無視。 |
SWING_HOME | Swing クラスパッケージを別にインストールした場合、インストールされているトップディレクトリを指定する。 その場合、CLASSPATHに swingのクラスライブラリを追加する必要がある。 |
CLASSPATHは、インストーラーが設定してくれるけど、UNIXのようにマルチユーザーの環境ではシステム管理者がインストールする場合があるので、これらの環境変数を自分で設定しておかなくてはいけない。また、クラスライブラリを追加したりする場合も設定の変更が必要だよ。注意しなくてはいけないのが、CLASSPATH
に必ず カレントディレクトリーを示すドット(.
)を入れておかないとカレントディレクトリーを参照してくれないということ。UNIX
がメインの OS である会社が作っているだけあってこのあたりは UNIX に準拠している。
では、例をあげて説明するね。環境変数がたくさんあるけど以下の例で示したものぐらい設定しておけば良いでしょう。
J2SE 1.4.2をインストールしたディレクトリ: c:\j2sdk1.4.2_01
Windows 95/98 の場合:AUTOEXEC.BAT
に追加
SET JAVA_HOME=C:\j2sdk1.4.2_01 SET PATH=%JAVA_HOME%\bin;%PATH% SET CLASSPATH=.;%JAVA_HOME%\lib\tools.jarWindows Me の場合:
[システム設定ユーティリティ]の「環境」タブで設定
変数 | 値 | |
---|---|---|
JAVA_HOME |
C:\j2sdk1.4.2_01 |
新規 |
PATH |
C:\j2sdk1.4.2_01\bin |
編集(追加) |
CLASSPATH |
.;C:\j2sdk1.4.2_01\lib\tools.jar |
新規 |
Windows 2000/XP の場合:
「マイコンピューター」(Windows XP の場合「スタートメニュー」の中にあります)を右クリックして「プロパティ」を選びます。 「システムのプロパティ」ウインドウが表示されたら、「詳細」タブを選んで 「環境変数」ボタンを押す。「環境変数」ウィンドウが表示されたら以下の内容を登録。
変数 | 値 | |
---|---|---|
JAVA_HOME |
C:\j2sdk1.4.2_01 |
新規 |
PATH |
%JAVA_HOME%\bin |
編集(追加) |
CLASSPATH |
.;%JAVA_HOME%\lib\tools.jar |
新規 |
J2SE 1.4.2をインストールしたディレクトリ: /usr/java/j2sdk1.4.2_01
UNIX の場合、.cshrc
, .profile
, .bashrc
などに追加
sh, bash JAVA_HOME=/usr/java/j2sdk1.4.2_01 PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH CLASSPATH=.:$JAVA_HOME/lib/tools.jar export JAVA_HOME PATH CLASSPATH csh, tcsh setenv JAVA_HOME /usr/java/j2sdk1.4.2_01 setenv CLASSPASS .:$JAVA_HOME/lib/tools.jar set path=($JAVA_HOME/bin $path)
これで、プログラムを作ったり実行したりする環境ができたので、次回からは Javaの言語について詳しく説明していくね!